酒だ(紹興酒9回)
中国で唯一と言ってもいい醸造酒で、紹興の町にある。
ここを訪ねて驚いたのは、中に入ると真昼間から満席で、みんなガヤガヤ言って、酒を飲んでる姿なんだ。
それも大きな平屋の支那時代の建物。(よくも紅衛兵にぶっこわされなかったと思ってる)
今まで、中国をかなり広範囲に行動して来たけれど、こんな豊かな社会を見たのは初めて。
以前、中国の演劇人が来日して、サンシャイン劇場で「茶館」という芝居を上演してくれたんだ。
芝居の内容は、最初から最後まで、椅子とテーブルがいくつか置いてあって、
支那時代のお茶を飲んで会話する、にぎやかな室内場面だけ、
その情景が、お茶の代わりに紹興酒。雰囲気が同じで、今、目の前にあるんだ。
活気があるこのお店は、そら豆の揚げたのと他に二つが、大きなザルに山盛り積上げてある。
これがおつまみ三品。それを買い、お酒は大きな瓶から、ヒシャクで汲んだ量り売り。
それも買って、つまみを持って、テーブルに。
中国人の服装は国民服だが、それを支那時代の衣装と思うと、タイムスリップした別世界。
しばらく、その時代にふけりながら、茶碗酒を口に運ぶ。
飲むと、まろやかな味で、日本で飲んだ紹興酒とは全然味が違うんだ。
今は、その紹興酒も瓶ごと日本に輸入されているから、飲むことが出来る。
かっての、いや今でもビンの紹興酒は、誰が教えてくれたか知らないが、
砂糖を入れて、なんて通ぶって教えてくれた。
味が悪いから、そうやって飲んだのだろう。僕は砂糖を入れないで飲むけどね。
車に戻る道で、二人乗りのオートバイが近づいてきた。
ボクにぶつかり、かばんを掴んだけれど、重くて取れなかったみたい。
今までの中国は、そういう乱暴者がいなかったので、乱暴なヤツがいるなあと思ったが、
後で考えると、あれは、ひったくりだな。と思った。
いよいよ中国も、そういう時代に入り始めたか。
でも、一時の素晴らしい時間を過ごし、帰りに量り売りをペットボトルに入れてホテルに戻った。
さすらい克ちゃんの、酒の原産地を訪ねる目的がひとつ終わった。
作り方を書くと、今まで好きだった人も飲まなくなるから、ここでは書かない。ボクは飲むけどね。
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